生クリームと白ワインでつくるフランスの煮込み。鶏のフリカッセ【キャンプでつくる世界のレシピ vol.14】

公開日:2021 / 12 / 06
最終更新日:2021 / 12 / 06

寒い季節には、温かく少しこってりとしたものを食べたくなりますね。今回は生クリームを使ったフランスの煮込み料理、鶏のフリカッセを紹介します。

フリカッセは“白い煮込み料理”のことをいい、肉をあまり色づけず白く仕上げるのが一般的。白ワインをたっぷり使い酸味を利かせることで、生クリームのくどさを感じさせない爽やかな仕上がりとなります。

フリカッセのいろいろなバリエーション

フリカッセは家庭でも広く食べられているため、作り方にはいろいろなバリエーションがあります。

少し珍しいバリエーションとして、リンゴの特産地のノルマンディー地方では、白ワインをシードル(リンゴのスパークリング酒)とカルヴァドス(リンゴのブランデー)に代えて作られ、これに焼きリンゴを添えたものは「オージュ谷風の煮込み」という料理として親しまれています。

家庭の煮込み料理としては長時間煮込むことが多いのですが、今回はすこし凝って複数の肉の部位を取り合わせ、加熱時間を調整することで、ムネ肉のジューシーさ、もも肉のプリッとした弾力、やわらかく煮込んだ手羽元の食感を楽しみましょう。

材料(4人分)

  • 鶏肉:モモ 1枚、ムネ 1枚、手羽元 4本(合わせて 約700g)
  • タイム、ローズマリーなどのハーブ:1パック(約10g。なくてもよい)
  • ニンジン:1本(約200g)
  • マッシュルーム:1パック(約100g)
  • 白ワイン:350ml(ハーフボトル)
  • 生クリーム:100ml
  • 無塩バター:50g(15g、15g、20gにわけておく)
  • 薄力粉:小さじ2
  • 鶏ガラスープの素:小さじ2(なくてもよい)
  • 塩:小さじ2/3
  • サラダ油:大さじ1

バターは有塩のものを使ってもかまいません。
有塩バターを使う場合には、鶏肉に焼き目を付けるときは焦げに注意し、水を入れるときに鶏ガラスープの素はいれず、マッシュルームのソテーを作るときも塩は入れないようにして塩分を調整します。


作り方

前日の準備

塩全量、ワイン半量(170ml)をビニールに入れて塩を溶かす。ハーブの1/2量(5g)、鶏肉を切らずに入れ、ビニール袋の口をしっかりと縛り一晩以上漬けこむ。

前日から漬けこまない場合は、塩の量を大さじ1 に代えて30分漬けこんでも大丈夫です。
塩の量を増やして短時間で漬け込む場合は、漬けこむ時間が長くなると辛くなってしまうので注意しましょう。

当日の下準備

  1. ニンジンを5cm×2cm の棒状に切る
  2. マッシュルームを半分に切ってから、7-8mm の厚さに切る。

つけ合わせの人参

鍋にニンジンが漬かるほどの水を入れ、沸騰するまでは強めの中火、沸騰してから弱火で15分茹でる。

フリカッセの材料に火を入れる

  1. 鶏肉を取り出しキッチンペーパーで水分をふき取る。全体に薄力粉をまぶす。
  2. フライパンにバター15g、サラダ油全量を入れて弱めの中火にかける。
  3. バターがあらかた溶けたら、飾り用のハーブを数本とりわけ、残りをフライパンに入れる。鶏肉も入れ皮目から焼く。
  4. 軽い焼色がついたらムネ肉とモモ肉のみ取り出す。

    鶏肉が軽く色づいた様子

  5. ムネ肉とモモ肉を取り出し、手羽元だけを残す。

    気温が低いときには、一度取り出したムネ肉とモモ肉をアルミホイルでくるみ、保温をしてください。

  6. 油を捨て(焦げはうまみになるので取り除かない)、ワインを160ml(小さじ2=10ml ほど残す)を注ぎ、強火で半量になるまで5分ほど沸かす。
  7. ハーブをとりのぞき、ニンジン、ニンジンの茹で汁150ml、鶏ガラスープの素を入れ、湧いたら弱火に。蓋をしてニンジンと手羽元を10分ほど煮る。

マッシュルームのソテー

  1. 鍋にバター15g を入れ、弱めの中火にかける。バターがあらかた溶けたらマッシュルームと塩少々(分量外)を入れる
  2. 2-3分して水分が出てきたらワイン10ml を入れ、水分があらかた飛ぶまで煮詰める

    水分があらかた飛んだ状態

フリカッセにクリームを合わせる

  1. 手羽元を10分煮込んだら、ムネ肉とモモ肉、ニンジンをいれ、中火にして蓋をしてスープが湧くまで待つ。
  2. バター20g と生クリームをいれ弱火にして、小さい泡がふつふつとなる状態を保つ。蓋を外して水分を飛ばしながら煮込み、ときどき肉を返して10分煮る。
  3. ムネ肉とモモ肉を取り出し、厚い部分に楊枝や串を刺す。肉汁が赤くなく透明になっていたら、5分ほどおいて余熱を中心まで伝えた後に切り分ける。

    ここでも気温が低いときには、ムネ肉とモモ肉をアルミホイルでくるみ保温をしてください。

  4. ソースにとろみが無いようなら、肉を取り出した後に少し煮詰め、塩分が足りなければ塩(分量外)を足す。
  5. 鶏肉とソースを皿によそい、ニンジン、マッシュルーム、飾り付けのハーブを添えて出来あがり。

フリカッセは、豚、子牛、ウサギなどのさっぱりした肉のほかに、サーモンや白身魚を使うのもおすすめです。

特に牡蠣を使ったものは絶品。少し手順は異なりますが、薄力粉をまぶした牡蠣をバターで軽く焼いて、一度取り出します。同じフライパンにワインをいれて半量に煮詰め、生クリームを足してソースにとろみがついたタイミングで、塩少々と牡蠣を入れて温めると作れますので、お好きな方はぜひ試してみてください。

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小笹 翼

LANTERN 編集部の料理担当。

読む本の9割が料理本のレシピ本マニア。食べたことない料理や食材は Do It Yourself の精神で生きてます。

今まで読みためた知識を活かして、分かりやすく再現しやすいレシピを書きたいです!

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