小さいながら力強い走りを見せてくれる、スズキの四駆軽自動車「ジムニー」。
スキーやキャンプ、登山など様々なアウトドアシーンで活躍するこの車は、日本だけでなく海外でも人気があり、ヨーロッパでは“Samurai”の愛称で親しまれています。
今回は筆者の愛車、2代目ジムニー(JA22)での車中泊キャンプの楽しさや荷物収納術について紹介します。
ジムニーを車中泊キャンプ仕様に
小さいジムニーで車中泊を楽しむ人は意外と多く、筆者も車内スペースを有効に使って夫婦2人で車中泊キャンプを楽しんでいます。
ジムニーをテント代わりに使うことで、お気に入りの愛車を「サイトの一部」として設営でき、また厳選したお気に入りのキャンプ道具と車中泊道具で秘密基地を作るワクワク感が得られるので、このジムニー車中泊キャンプスタイルはとても気に入っています。
車中泊のためのベッド作り
ジムニーで車中泊するためにはフルフラットな面を作って車内にベッドを設営する必要があります。筆者はりんご農家が出荷時に使う木箱『りんご箱』を使ってジムニーにセミダブルベッドを作りました。
この「夏緑」というりんごの品種が書かれたりんご箱(半割品)は、運転席と助手席のシートを倒した高さ、且つ3つ並べるとジムニーの車幅にシンデレラフィットするので、セミダブルベッドの基礎が出来上がります。
りんご箱は見た目も可愛く、強度もあって荷物も詰め込める優れもの。最近はインテリアに使う人も多く、ネット通販で手軽に手に入れられるのでキャンプの収納箱や車中泊ベッドの基礎に使ってみてはいかがでしょうか。
さらにここに5cmのマットレスを敷き、シーツをかければ少し狭いけれど快適なセミダブルベッドが完成。
身長170cmの夫と155cmの筆者は足を伸ばして快適に眠れます。マットレスは車内にフィットすればなんでもいいのですが、厚みが5cm以下だとシートや木箱のゴツゴツ感を感じてしまい、またうまく体を包み込んでくれないので、腰を痛めてしまいます(過去に厚み1cmの登山用銀マットを使用したら上手く眠れず、腰が痛くなりました)。
そのほか、新型でも旧型でも、ジムニーをフルフラットにできるマットや箱は色んな商品が売られているので、「お気に入りの一品」を探してみましょう。
キャンプ用品の収納
限られた車載スペースに厳選したお気に入りのキャンプ道具を積み込み、キャンプに出かけています。
利用するのはベッドの基礎にした半割品の木箱とは別の、フルサイズタイプのりんご箱。
焚き火台や火箸、ダッヂオーブンなど焚き火関係のギアやペグ、ハンマーなど細々したキャンプギアは“フルサイズのりんご箱に収まる範囲で持っていく”ことを徹底しています。
荷物は多すぎるとジムニーのような狭いスペースでの車中泊キャンプは楽しめないですからね。
食器やカトラリー、塩胡椒、スパイスなどの調味料やお茶セットは蚤の市で買った焦げ茶色の木製の道具箱に。食器もカトラリーも、見ているだけで気分が上がるお気に入りのものを厳選しています。
その他シュラフや車中泊用のマット、テーブル、チェア、タープなどの大きめのギアは、りんご箱や道具箱に入れず単体でパズルのようにジムニーに詰め込んでいます。
たくさん積載することはできないので、『本当に必要で本当に気に入っているものだけ』を厳選し、車内の就寝スペースやキャンプサイトを“こぢんまりとした自分達だけの快適な巣”に仕上げています。
寒さ&暑さ対策
テントと違って風には強い車中泊キャンプ。それでも意外と底冷えするので、寒い時期にはしっかり断熱&防寒対策が必要になります。
窓から伝わってくる冷気は、ホームセンターで手軽&安価に購入可能な銀マットを窓に貼り付けてシャットアウト。窓の大きさに合わせてカットした銀マットには、お気に入りの赤チェック柄の布を縫いつけて断熱&目隠しをしています。
銀マットをそのまま使ってもいいですが、お気に入りの柄の布を貼り付けると車内が「ほっと落ち着く」空間になりますね。この銀マットは普段、車内天井にかけたネットに収納しています。
分厚いマットレスを使えば快適なベッドになるだけでなく、底冷えも防いでくれるので、窓にしっかり目隠し兼断熱目的の銀マットを貼り付け、寒冷地仕様のシュラフで眠れば冬キャンプでも寒さに震えず眠れます。どうしても寒い時はシュラフの足元にカイロを忍ばせていますが、スキー旅行で雪の中車中泊をしても問題なく快眠できています。
夏場はメッシュ生地を窓にフィットするように裁断し、マジックテープを取り付けた手作りの網戸で風を通し、かつ虫をブロックしています。が、それでも暑いのでなるべく標高の高いキャンプ場を選んで涼んでいます。
ジムニーで車中泊キャンプ
車中泊キャンプでは愛車がサイトの一部になる高揚感を味わえるほか、テントを設営する手間が省けるので設営や撤収の時間が短縮されます。
前述の通り、細々としたギアはフルサイズのりんご箱や道具箱に収納しているので、箱ごとサイトに降ろしてテキパキ設営し、撤収も元あった場所にしまって車内に積み込むだけなので、どちらも30分程度で完了します。
ギアを取り出した収納箱は、棚や小さいテーブルの代わりに使えます。自分好みの箱なので、景観を損ねずにそのままサイトに馴染みます。ちなみにベッドの基礎になるりんごの木箱は、車から動かさずに薪入れや火箸、うちわを取り出しやすいように収納することが多いです。
お気に入りの道具と愛車に囲まれてHyggeな車中泊の旅を
車載スペースが限られているので、キャンプ道具も車中泊仕様の道具も必要なものを最小限にして持っていきます。
お気に入りの道具を厳選してパッキングする作業はワクワクするもの。ミニマムで快適なHygge(*)な空間を楽しみます。
使い勝手が多少悪くても、あるいは荷物が少なくて不便を感じても、ジムニー車中泊キャンプは、その“不便さ”をも楽しむのがコツかもしれませんね。
みなさんもお気に入りの愛車にお気に入りのギアを詰め込んで、Hyggeなキャンプタイムを満喫してみませんか。
(*)Hygge(ヒュッゲ):デンマーク語で『お気に入りのもの、人に囲まれてリラックスすること』をさす言葉。定義は曖昧で人によって異なる。
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