自由気ままなソロキャンプで、ものすごく時間を持て余した経験がありませんか?
私も過去何度となくソロキャンプをしてきて、いそいそと寝床の準備や食事などを済ませてみたものの、まだまだ宵の口なんてことがよくありました。
そんなちょっと時間に余裕のあるソロキャンパーの皆様へ。
そこまで熱心な読書家ではない私でも思わず熱中する、なおかつキャンプやアウトドアがもっと好きになるオススメ名著を3冊厳選してみました!
アウトドア名著の世界
アウトドアに関する本はかなり多く、登山や釣り、カヌートリップなど色々な題材があります。
が、今回は定番中の定番と言える本を選んでみました。
『森の生活・上下巻』ヘンリー・デイビッド・ソロー
たびたび哲学書の特集に取り上げられる本作は、直接キャンプに結びつくというものではありません。19世紀、アメリカの作家「ヘンリー・デイビッド・ソロー」はマサチューセッツ州ウォールデン湖畔に家を建て、日常生活を送りました。
この本は彼の生活記録を元に、自然との向き合い方や人が「どう生きるか」という普遍的なテーマを、読者に考えさせる一冊です。
題材が少々難しいところもあり、私も読み進められず、何度も挫折を経験しました。
例えば、テント内でUCOのキャンドルランタンを灯して、ウイスキーを楽しみながらほろ酔いで本書を読む。だんだん難しい内容に頭が追い付かなくなってくる。でも、それでいいと思います。
そんな時は理解できない部分を一旦飛ばして、気になる部分だけ読むのも良いんじゃないでしょうか。
移り変わる季節と手付かずの自然に身を置いて見えたソローのシンプルライフに、現代のキャンプライフを重ねてみてくださいね。
『遊歩大全』コリン・フレッチャー
アウトドアマンとヘビーデューティー(流行に左右されないアイテム)愛好家のバイブルと言っても過言ではない、コリン・フレッチャーが書いた「遊歩大全」。
カバンを背負って旅をする「バックパッカー」ブームの火付け役というべきコリン・フレッチャーは、1958年にカリフォルニア・ウォークを敢行。その旅は、コロラド川からデスバレーを経由してハイシエラ山脈まで到達するもの。
試しにグーグルマップで調べてみると、徒歩で約7日かかるとのこと!すごいですよね。
そんな彼は、1963年に世界初となるグランドキャニオンを踏破した人物となります。
本書には、今はもう消滅してしまったブランドやキャンプギアが山ほど出てくるので、皆さんのキャンプスタイルに反映できることは少ないかと思います。(※タープの活用方法など、ブッシュクラフト中心の過酷なキャンプが好きな方にとっては、勉強になるところがあると思います)
でも、厳しい旅で得た彼のノウハウや哲学を、惜しげもなく書き記してくれています。
作中に登場する一節をちょっとだけ紹介します。
「アナボタ・モト」
炎を見つめて完全に心を落ち着かせているようなシチュエーションに使われるスワヒリ語の言葉で、「火を夢見ている」という意味だそうです。
キャンパーであれば誰もが知っている“焚き火を見つめてリラックスする時間”に名前が付けられていたんですね。
今はもうない、過去の素晴らしいキャンプギア達と、彼の見たウィルダネスな景色に思いを馳せながら、焚き火の前で読みたい一冊です。
『アーバン・アウトドア・ライフ』芦沢一洋
これまでウォールデン湖畔やグランドキャニオンなど海外の素晴らしい場所についての本が続いて、「海外の話ばかりで、いまいちピンと来ない」という方もいるかもしれません。
そんなあなたに紹介したい最後の一冊は、「アーバン・アウトドア・ライフ」です。
芦沢一洋によって書かれた本書は、東京などの都会に生活しながら、どうやって「ウィルダネスを見つけ出すのか」「自然とともに生きるのか」というアーバン・アウトドアマン達の悩みを解決してくれる内容となっています。
何を隠そう芦沢一洋は、先ほど紹介した「遊歩大全」の翻訳を担当し、アメリカからのアウトドアブームを日本に広めた立役者。
アウトドアライフというものは、必ずしも大自然の中やキャンプ場にだけ存在するものではなくて、都会の中の小さな自然を見つけることで実践できる。
移り変わる季節のなかで変化する花の匂い、鳥の鳴き声に気づき、自分の心の中に小さな自然を感じる。
そんな素敵な考えや言葉で綴られる彼のエッセイは、読んでいるだけでキャンパーの心を掻き立てます。
ウィズコロナの時代とはいえ、なかなかフィールドに出かけられずにモヤモヤしているキャンパーの方々に、ぜひ贈りたい1冊です。
アウトドアを愛する人々にとって、バイブルと言える有名な3冊をご紹介してみました。
最近キャンプに行けてないあなたも、テントで時間を持て余しているあなたも、ランタンと焚き火の灯りで、アウトドアの知識を深めてみませんか?