夏の北欧キャンプで自然の宝探し!ベリー&エルダーフラワー摘みを満喫!

公開日:2022 / 05 / 10
最終更新日:2022 / 05 / 10

北欧の国々では夏になると、森にべリーが多く実ります。日本でもおなじみのラズベリーやブルーベリー、リンゴンベリーなど種類も豊富。また、エルダーフラワーと呼ばれるハーブも花を咲かせます。

北欧に住む人々には、“自然享受権*”があるので森や湿原などあちこちで自由に自然の恵を収穫し、美味しく調理して夏を楽しんでいます。

北欧の夏は日照時間が長く、キャンプをするのにベストシーズン。旬のベリーやエルダーフラワーを現地で摘んで、そのまま外ごはんにして食べるキャンプスタイルが人気です。

キャンプで食べるご飯を、その場で取って食べるなんてとってもワクワクしますね。今回は、北欧のベリー、エルダーフラワー摘み×キャンプ事情を紹介をします。

*自然享受権:「自然はみんなのものだから、独占すべきでない」という考え方に基づいて、私有地や国有地でもキャンプ、ハイキング、ベリー・きのこ摘み、カヤックやスキー、乗馬などアウトドアアクティビティを楽しめるという権利。国ごとに制限があるので、詳しくは「【北欧のアウトドア事情】みんなの自然をみんなで守って楽しむ「自然享受権」について」の記事を参考にしてください!

ベリー摘み

北欧の夏はベリーの季節。人々は森に入ってベリーを摘み、ジャムを作ったりホットケーキに混ぜて食べます。もちろん、そのまま食べることも。

べリー摘みのポイントは「熟したベリーのみを収穫すること」。ベリーは他の野菜と異なり、熟していない実を収穫してしばらく置いておいても、完熟しないからです。また、天気の良い日に朝露などで濡れていないものを摘むのが、カビや細菌の影響を受けないのも、大切なポイントです。

北欧ではいろんな種類のベリーが実りますが、よく見かけるのは以下の4つのベリー。それぞれの特徴を紹介します。

ブルーベリー

北欧ではビルベリー(Bilberry)と呼ばれることも。7月から9月ごろまで収穫でき、日陰のある場所でよく育ちます。北欧を代表するベリーで、そのまま食べてても、ジャムにしても美味しいブルーベリー。

フィンランドでは夏の定番デザートとしてブルーベリーパイが人気で、代表的な家庭料理のひとつになっています。

リンゴンベリー(コケモモ)

日本語では「コケモモ」の名前で知られているリンゴンベリー。主に8月から10月の間に収穫でき、空気が乾燥して灌木(かんぼく)の少ない森や湿地、林、岩場や丘陵地帯に実っています。生のままでは酸味が強いので、ジャムやパイ、ソースとして使われることが多いです。

IKEAのミートボールのソースにも使われており、北欧では伝統的な肉やじゃがいも料理にはリンゴンベリージャムが添えられることが多く、さっぱりとした味が肉料理によく合います。

ラズベリー

8月から9月の間に収穫でき、日当たりの良い森などでよく取れます。そのまま食べてもよく、ジャムやケーキにしても美味しいラズベリー。ブルーベリーとラズベリーを合わせたジャムは「女王のジャム」と呼ばれるほど。パンのフィリングとして人気の高いベリーです。

クラウドベリー

日本であまり馴染みのないクラウドベリーは、7、8月に収穫できる特徴的な形のベリーです。高山や湿原で取れますが、隠れた場所に実っていることが多いので、他のベリーに比べて見つけるのが難しいのが特徴です。そのまま食べるだけでなく、ジャムやジュース、スープやケーキなどに使われます。

熟す前が赤色、熟すと黄色になるので、収穫時期に要注意。筆者は赤色が完熟した色だと勘違いしていたことがありました。日本では馴染みのないベリーなので、北欧に訪れた際はぜひ探してみてください。

北欧でのベリー摘みの楽しさを教えてくれた友人は、「自分達が食べられる分だけ、熟した実を少し、自然から分けてもらう。取り切っちゃうと他の人の分が無くなるからね。でもベリー摘みは楽しいから、摘みすぎないためには自制心がとっても必要だよ」と、笑いながら摘んでいました。

ベリー摘み専用のスコップなどが売られていますが、まずは、とりあえず摘んだベリーを入れる容器さえあれば、誰でもベリー摘みを楽しめます。

森や湿原の近くでキャンプ設営をしたら、空き容器を持ってそのままベリー摘みにGO。宝探しのようにワクワクする「ベリー摘み×キャンプ」は北欧の人々に人気の、夏の定番キャンプスタイルです。

ベリーが生っている場所は蚊などの虫がいたり、草や木の棘があることが多いので、長ズボンを履いて、しっかり虫除けスプレーを塗布して行きましょう。日差しが強いので、日焼け止めを塗るのも忘れずに。

キャンプでは摘んだベリーは、そのまま食べるだけでなく、焚き火でジャムを作ってパンケーキや肉料理に添えるのが友人のおすすめスタイル。

北欧のパンケーキは、生地が薄くもちもち食感なのが特徴なので、ジャムのおいしさが際立ちます(「焚き火で北欧ごはんをつくろう! スウェーデン&フィンランド流パンケーキ」の記事でレシピを紹介しています!)。

エルダーフラワー摘み

エルダーフラワーはヨーロッパや北アメリカ、南西アジアなどで咲くハーブで、和名は「西洋ニワトコ」と言います。

北欧の国々では6月、7月にクリーム色の小さな花が咲き、甘いマスカットのような香りがします。エルダーフラワーの季節になるとあちこちの森で見つけることができ、収穫してパンケーキやハーブティー、シロップ(コーディアル)にして味わっています。


エルダーフラワーパンケーキの作り方は少し独特。花の部分だけをちぎってパンケーキの生地に混ぜて普通に焼く場合もありますが、目でも楽しむために花の茎ごと使って焼くスタイルが人気です。

茎を持って、花と生地を一緒に食べると、口の中にエルダーフラワーの香りが広がります。このエルダーフラワーパンケーキは、北欧の夏キャンプで人気の外ご飯。取りすぎるとすぐにシナシナになってしまうので要注意。「食べられる分だけ取る」ことを徹底しましょう。

花の部分とレモンと砂糖を一緒に煮込んで、シロップ(コーディアル)を作ることもよくあります。炭酸水や冷水などで割ってドリンクとして楽しめますよ。

キャンプの思い出を家に持って帰って、季節を感じながら美味しくいただくなんて、とっても楽しそうですね。

北欧の夏は明るく楽しいキャンプにぴったりの季節

北欧の夏は夜になっても明るく、晴れの日々が続くので、人々は外に出て思う存分太陽の光を浴びてリフレッシュしています。日本でも夏にアウトドアを楽しむ人が多いので、国や文化が違っても気持ちは同じですね。

旬の食材をキャンプで自然を感じながら食べる楽しみも、国が違っても変わらない共通点。キャンプやピクニックで、ベリージャムを持っていって、パンケーキに乗せて食べる「北欧夏キャンプ」気分を楽しむのも良さそう。

北欧に訪れた際は、豊かな森に分け入って、宝探しのつもりでベリーやエルダーフラワーを摘んでみてください。自然の恵みを美味しく味わえますよ。

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みう

キャンプ、登山、ハイキングやスキーが趣味の元エンジニア。週末に車中泊仕様の愛車ジムニーに乗ってあちこち出かけています。

北欧の国デンマークで1年間、現地流アウトドアを現地の学校で学びながら満喫。

Instagram:@miu_jn3tbz
ブログ「デンマーク徒然日記」:https://note.com/miu945

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