長野県小谷村(おたりむら)には、雪国の冬の風物詩である狩猟が体験できる獣狩りツアーがあります。地元の猟師さんについて雪の里山に入り、集団で獣を追う昔ながらの伝統狩猟。雪国の景色や文化に触れながら、野生動物と人間の関係を肌で感じられる貴重な体験です。
まずは深い雪に備えて「爪かんじき」を装着
積雪3メートルを超える雪深い里山を歩くには、小谷伝統の「爪かんじき」は欠かせません。事前に身につけ方を練習してから山に入ります。歩き始めは慣れずに大変ですが、長靴にフィットするので慣れてしまえば快適に歩くことが出来ます。雪の少ない地域で生まれ育った人にはこれも初めての体験。出発を前に参加者の期待が高まります。
いざ出発!雪原の静けさが気持ちいい!
爪かんじきを履いたら、追い込み猟の出発地点に向けて出発です。しばらく雪原を歩きますが、これがまた気持ちいい!冷たい空気が漂う雪原はとても静かで、聞こえてくるのはサクッサクッと雪を踏む自分の足音だけ。なぜなら、雪が音を吸収してしまうので周囲の音がまったく聞こえなくなるからです。足を止めればシーンと静まり返り、都会の喧騒からは想像できない自然が生み出す静寂の世界を堪能できます。これぞ「非日常の体験」ですが、まだまだ序の口。狩猟体験はこれからです。
動物の足跡を発見!
集落から山へ近づいていくと、動物の足跡がいくつも見えてきます。写真の足跡はいったいどんな動物でしょうか?そんなときは同行する猟師さんに聞くのが一番です。どんな動物が、いつ、どっちへ歩いていったのか、詳しく教えてくれます。冬の小谷村で見られる足跡の多くは、キツネ、うさぎ、カモシカなど。さて、このあとどんな動物と出会えるでしょうか。期待がさらに膨らみます。
配置についたら、いざ追い込み猟スタート!
参加者が5〜10m間隔に広がって配置についたら、大声を出しながら一斉に歩き出します。音を出しながら移動することで獲物を一方向に追い込み、ポイントで待ち構える猟師さんが仕留める作戦です。とはいえ、追い込み猟のフィールドは雪が積もる山の中。当日の天候や状況によって雪に足をとられたり、木立に邪魔されたりして普通に歩くことすら一苦労。そんななかをスイスイと歩いていく猟師さんは本当にスゴいです!
獲物を発見!!
獣狩りツアーで獲物を仕留められる確率は、これまでの実績で約50%。自然が相手なので、動物と遭遇できないこともあります。動物が目の前を通り過ぎたけれど雪と格闘していて気がつかなかった、そんなケースもあります。いざうさぎを見つけられたら、うさぎが雪上を移動するスピードに驚くはず。カモシカに遭遇できればその存在感に魅了されるはずです。そして、猟師たちが待ち構えるポイントにうまく動物を追い込めたら、猟銃でズドン。通常の猟と同じく、その場で解体する様子も観察できます。
ジビエ料理を囲んで
狩猟体験後は地元の猟師の皆さんとジビエ料理を囲み食事会。熊肉やシカ肉などの料理も並び、温かい料理で冷えた体を温めます。食糧管理法や食品衛生管理法により一般への流通が難しいジビエ。猟師の皆さんの想いを聞き、野生動物と人間の関係について考える貴重な機会です。普段は何気なく享受している自然の恵みと命の恵みに感謝して頂きます。
獣狩りツアーに参加するには
小谷村で開催している「獣狩りツアー」は、1年に1日だけの限定開催!定員が20名と限られているため、参加希望の方は早めの申し込みがおすすめです!
ツアー開催日時
2017年2月11日(土)
9:00 小谷村役場出発
14:30 小谷村役場解散
お申し込みは
→ 小谷村観光公式サイト (トップページ → 現地ツアー予約)
→ またはお電話にて Tel.0261-82-2233
あとがき
「『獣狩りツアー』を通して、雪深い小谷村の文化や生活風土などを知っていただけたら嬉しい限りです」と観光連盟の道村さんはおっしゃいます。猟師の方々と一緒に行動したり、実際に狩猟の話を聞けるのは貴重な機会です。狩猟に興味がある方、ジビエ料理に興味がある方はきっと楽しいツアーになることでしょう。
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