習性を理解して刺されるリスクを減らす
見つけたら静かに去る
スズメバチを見つけても刺激しないように気をつけましょう。振り払おうとしたり、過剰に騒ぎ立てると、襲われる危険性が高まります。
「ずっとフィールドワークを続けていますが、スズメバチに刺されたことはありません」と山口さん。そっとしておけばスズメバチが牙をむくことは滅多にないのです。
重要なのは、スズメバチが発信するシグナルに気づくこと。人の周りをぶんぶんと飛び交うハチがいれば、それは「巣が近い、来るな」という威嚇行為。複数のハチを見かけるようになったら、さらに巣に近づいた証拠です。静かにその場を去りましょう。
足元注意!巣は落ち葉に潜む
スズメバチの中でも指折りに凶悪な「オオスズメバチ」は、土の中に巣を作ります。何気なく踏みしめた落ち葉の下に、オオスズメバチの巣があることも。
万一にも踏み抜いてしまうと、巣をおびやかす「敵」として見なされます。絶対にうずくまらず、とにかく走って逃げましょう。1度刺されても、走る。2度刺されてしまえばアナフィラキシーショックを起こす危険性が非常に高まります。
ハチが追跡するのは20mほどといわれていますが、興奮しているとさらに距離が伸びます。置き去りにするまで走り抜けて。
黒髪パーマがスズメバチを引き寄せる?
黒髪にパーマを当てている方は要注意。スズメバチには、もじゃもじゃの黒い毛をクマと勘違いし、攻撃する習性があります。白い帽子を被るなど、しっかりとした対策を。
髪に限らず、黒いものを身につけるのは控えましょう。洋服はもちろん、カメラや靴なども危険です。
食材を外に置くのも危険
コロニーが大きくなる9月、スズメバチは餌に飢えています。食材を野ざらしにしておくと、食材を問わず寄ってきます。ドリンクの残りも餌にするため、缶に潜り込んだスズメバチに口内や唇を攻撃されるケースも。
万一刺されてしまったら?
すみやかに病院に搬送
なにより重要なのは、一刻も早く医師の手当てを受けること。患者を運ぶときは、背負わずに担架で救急車まで移送します。
応急処置
まずはその場から退避し、刺された箇所をきれいな水で洗います。次に、赤く腫れはじめたところに、抗ヒスタミン軟膏を塗りましょう。手や足を刺された場合は、心臓に近い側を止血用のゴム管などで縛り、数分間隔でゆるめます。ポイズンリムーバーを使って毒を吸い出すのも有効です。
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